本研究室では、既にシリコン中での二重結合量子ドット形成、また電子スピン効果の検出に成功しています[1]。またこの構造を用いて、理論的には量子ドット内の電子数を1つに制御することもできるということが分かっています[2](図1)。
少数の電子を内包している量子ドット内では、各電子スピンの回転方向を確率的に重ね合わせることで(例えば上方向と下方向)、無数の状態を同時に表すことができます。この電子を量子ビットと呼び、多数の量子ビットを並べることで、量子コンピュータを実現することができます。特にシリコン中の電子スピンは、その状態を保持する時間が長く、量子ビットの有力な候補として注目されています。
本研究では、電子スピンの回転方向を制御する方法として、外部磁場に加え、umオーダーの小さな磁石(MM)を量子ドット近傍に置く方法を考えています[3]。合成された磁場中で、量子ドットの電場を振動させると、電子が感じる磁場を相対的に振動させることができます。電子スピンはこの振動した磁場と共鳴し、スピン方向が回転します。この回転を制御することで、量子ビットが実現できます。
現在は、少数の電子を実際に二重結合量子ドット中に閉じ込めて観測することと、電子スピンを効果的に回転させることのできる量子ドットとマイクロ磁石の形状、配置の最適化を研究しています(図2)。 [1] T. Kodera, et al, INC7, May 2011, Albany
[2] T. Kambara, et al, Jpn. J. Appl. Phys, .50 04DJ05 (2011)
[3] M. Pioro-Ladriere, et al, Nature Phys., 4, 776 – 779 (2008)
少数の電子を内包している量子ドット内では、各電子スピンの回転方向を確率的に重ね合わせることで(例えば上方向と下方向)、無数の状態を同時に表すことができます。この電子を量子ビットと呼び、多数の量子ビットを並べることで、量子コンピュータを実現することができます。特にシリコン中の電子スピンは、その状態を保持する時間が長く、量子ビットの有力な候補として注目されています。
本研究では、電子スピンの回転方向を制御する方法として、外部磁場に加え、umオーダーの小さな磁石(MM)を量子ドット近傍に置く方法を考えています[3]。合成された磁場中で、量子ドットの電場を振動させると、電子が感じる磁場を相対的に振動させることができます。電子スピンはこの振動した磁場と共鳴し、スピン方向が回転します。この回転を制御することで、量子ビットが実現できます。
現在は、少数の電子を実際に二重結合量子ドット中に閉じ込めて観測することと、電子スピンを効果的に回転させることのできる量子ドットとマイクロ磁石の形状、配置の最適化を研究しています(図2)。 [1] T. Kodera, et al, INC7, May 2011, Albany
[2] T. Kambara, et al, Jpn. J. Appl. Phys, .50 04DJ05 (2011)
[3] M. Pioro-Ladriere, et al, Nature Phys., 4, 776 – 779 (2008)