関東第一高等学校ITCクラブ室イメージ
特別講演『武道の心』のまとめと感想の掲載
2010年5月26日(木)
  橋爪先生の体育、柔道の教科の中で、勉強の大切さを強く訴える講演でした。冒頭、 「皆さんは日本一ラッキーな高校生」、「後席にいる渋谷教頭と橋爪先生は礼と仁の体 現者」と言いました。意外な始まりでした。
「皆さんとここで会えたのはたまたま、渋谷教頭と理事長のお陰です。皆さんがここに 座っているのもたまたまでしょう。2つのたまたまが交差した稀有な状況がここにあり ます。これを大切にしましょう。お茶は『一期一会』を大切にします。袖振り合うのは 他生の縁と言えますが、同じ人との出会いも毎回新鮮に、そのときを大切にする、が心 です。」と続けました。なお、講師は6年前から関東一高で教えています。以前は新商 品の企画を担当し、新人教育の傍ら、高専や大学で非常勤講師をしていました。20年以 上、バドミントンクラフ゛を開催し、若者の教育に携わってきました。若者の成長を見 るのが楽しみだそうです。
  邪馬台国の時代は、中国の三国志の時代。魏志倭人伝は相当に古いわけです。さらに 500年ほど前、世界史で勉強する春秋戦国時代、有名な孔子がいました。教えが論語で す。論語が強調するのが『仁』と『礼』。仁の偏は人。旁は私とあなたの二人です。ま とめると、人である私と貴方です。お互いを思う優しさです。礼は決まりごと、パター ンやモデルを意味します。イチロー選手のバッターボックスに入る仕草を思い出してく ださい。決まったパターンです。集中力を高め、難しいボールもヒットします。身に付 けるべき良い動作のパターンが礼の様式です。『仁』の心を『礼』を心がけ学ぶのが大 事です。日本人はあまり意識できていませんが、心に『武士道』が潜んでいます。武士 道が重視したのが実践です。武士道は、理論重視ではありません。心は、俗の中に誠あ り、日々の生活の中に真理があるという意味です。誠は新撰組の旗印でもありました。
  講演の終盤になり、講師はITCクラブのホームページを示し、登山口の銅像となだら かな美しいモンブランと、頂上の大写しの写真を見せてくれました。近づくほど急峻な のが良く分かりました。頂上付近は命がけの急斜面。意味は、遠くからの批評は楽。実 行は難しい、だそうです。実践しないと、険しさや難しさは分かりません。何事も、批 評や理論だけでは、真理を学べません。実践が人を成長させる、とのことでした。最後 に、何事もプロとなる秘訣は練習。加えて、スポーツと違い、頭脳を使うプロになるに は、才能より、若いときからコツコツ続けることが大切だと強調しました。今日は昨日 の続き、明日は今日の続きではなく、今日は今日しかありません。毎日、新鮮に取り組 むのが大切です。新鮮な心を持ち続け、学生時代に仁と礼を身につければ、知らないこ とは会社の先輩が教えてくれます。会社はプロの集まり、必ず成長させてくれるそうで す。
  今回の講演会、短い時間でしたが、生徒は一生懸命に聴き、質問し、理解しようと努 めていたようです。有意義な時間だったはずです。聴衆は1年生。時を得た内容、新入 生に良い影響を与えられたとITC会員として満足できました。
記:桑原ITC会員