「株式会社フェアウェイ ソリューションズ 殷社長 講演会」の感想 |
2010年5月13日(火)
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場所:株式会社フェアウェイ ソリューションズ
講演者:代表取締役 殷 烽彦(イン ホウゲン) 日時:2010年5月13日 13時から15時30分 株式会社フェアウェイ ソリューションズ 殷社長 講演会
オーストラリア国籍を持つ、生まれは中国の、大学院は日本の殷社長は容姿の通り、
流暢な日本語と笑顔を絶やさず、広い話題を丁寧に説明してくれました。今販売してい
るこの会社の物流システム(以下、コンダクター)が様々な業界で高い評価を得ているの
は当然と、このシステムに馴染みがない私が感じられました。最初から最後まで、素晴
らしいお人柄が伝わった講演でした。
最初に驚かされたのは、オーストラリアと中国の、日本とは違うIT事情でした。国土
が広く、人口密度の低いオーストリアはハードソフトの環境は日本より遅れています。
人口密度が低く、人が広く居住し、情報伝達さえままになりません。このため、ITで合
理化する国や会社の決意は日本以上だそうです。これは国も個人も、日本が学ぶべき点
でしょう。
一方、人口が多く、経済成長率が高い中国は市場の大きさが強みです。しかし、国土
の広さ故に、地方政府ごとに規格が別れ、独自性の強さが規格統一の足かせになってい
ます。逆に国の主導の対策があります。この点に非常に興味を持ちました。コンピュー
タを使ったシステムは、国が変わればその様子は違うものだと感心させられました。
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IT技術と市場の進化は急激です。あっと言う間に必要だった仕事がなくなります。進
化し続けるソフトとハードは、しっかりと未来を見据える目が改良を続けていないと、
一瞬で淘汰されてしまう怖さも感じられました。経済の点から、会社や会社員は時代の
変化に追随しています。学生時代から、ITの基礎知識をしっかり持ち、早い時期から活
用する感性を磨いて行かなければいけません。
以上はIT事情に関する話題です。話題がコンダクターの実演と解説に移ると、IT分野
を長年担当してきた私の面白さは倍増しました。ITは、一般的にデジタル的なイメージ
を持ってしまいます。しかし、ITを駆使しているのは、紛れも無く人間であり、人間性
なのだということに改めて感じさせられました。
専門家の技能と経験をシステムに蓄え、担当者をサポートする為の様々な機能がこの
システムの最大の特徴なのでしょう。「誰でも、簡単に、最善の結果を提供するための
システム」と強く思いました。
最後の話題はコンダクターと教育との関連性についてでした。物流システムは会社の
業務を幅広く記述しているため、会社を学べる教材でもあるという視点に驚かされまし
た。経験者の論理を新たに加えたら、このシステムは学校の個人向け教材作成支援シス
テムに転化できるという発想に驚かされました。教育の現場でも、ITを活用し、個人ご
とに丁寧な教材を作成できるかも知れないと思えました。
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今回の講演は、ITの資産を活かすのは、使う人のセンスと想像力と実行力、とまとめ
られるでしょう。これこそITCの推進者が毎日意識しているコンセプトです。社長の講
演は守秘義務に縛られているはずです。我々は表現されなかった、しかし素晴らしいシ
ステムの存在を感じられました。
記:鈴木専門指導員 |