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ITCクラブ室
人の繋がりを様々な視点で見よう

人の繋がりを様々な視点で見よう

2013年2月26日 記 : ITCクラブ専門指導員 鈴木 朗
  • 日時
    : 平成25年2月19日(火) 12:00~13:00
  • 参加者
    : ベラ・シェファーさん、渋谷教頭、アドバイザー夫妻、専門指導員

ドイツから東大に留学されているベラさんとの昼食会に同席させて頂きました。名前以外は何も知らない異国の方にお会いした時、どのような話題が喜ばれるのか?英語の苦手な私でも大丈夫か?この日が来るのが楽しみでもあり心配でもありました。

ベラさんはドイツ国籍の女性で、スイスの連邦工科大学を卒業された優秀な学生です。そのような方が東大に留学されたのは、それぞれの大学の立場のある方の深い親交があったからだと思います。それは日本の国益でもあり、今日行われる特別講義が大変貴重な場である事を感じます。

ベラさんはアドバイザーのエスコートにより12時定刻に到着されました。容姿と笑顔と可愛い声とが合間ってとても素敵な女性です。天が二物も三物も与えたような印象を受けました。

お話を伺うと、ベラさんはミュンヘンから車で東に約2時間、シュトットガルト(黒い森)の方面にご実家があるそうです。ドイツの最もスイス寄りのこの地域は険しい山も無く豊かな緑が広がっている土地です。

アドバイザーの奥さまは昔ドイツに行かれた事がありドイツ語で話されていました。訪問された場所はドイツの南部にあたる場所で ベラさんのご実家とさほど遠くはないようです。きっと、その頃の思い出が蘇っていたのではないでしょうか。

食事の注文をされる時、ベラさんがベジタリアンだと言われると渋谷教頭も同意されていました。話題が野菜になりました。教頭は実家の八百屋の話をされ、特にネギをアピールしていました。ネギの英単語が出て来なかったのですが、玉ねぎをボール・オニオンと例えてネギに結びつける所は、さすがバドミントンで世界を駆けまわった先生だと思いました。

ちなみにお酒の酔い覚ましにはトマト、大根、枝豆、ニンニクが効くそうですので、お酒を少し減らしてお店の美味しい野菜を食べられると体に良いのではないでしょうか。

ベラさんの英語は聞きやすく日本語も交えてくださったので、とても助かりました。 笑顔で話されると、聞く側は無意識に集中力が増す事を感じました。

アドバイザーを先頭にベラさんへのプレゼントが手渡されました。 アドバイザーからは世界の名言・ことわざ集、おとし玉記念切手、京都の貴重な漆器は重厚な艶があり思わず羨ましいと思う逸品でした。更に木版画で有名な加藤晃秀の作品もあり、驚くばかりでした。

ただ渡すだけではなく、おとし玉記念切手では日本の年賀状のシステムの説明をされました。プレゼントを差し上げる時、相手の興味を高める言葉を添えると価値がさらに高まります。

片言の英語で一生懸命説明されているアドバイザーの姿は微笑ましいと思いましたが、時間が経つにつれ、だんだん流暢になったのは、やはり昔取った杵柄でしょう。

はるばる異国から来た学生に勉強して貰いたいという心遣いは、間違いなく伝わったと思います。

渋谷教頭はオリジナルの図書カードをプレゼントされました。ベラさんの勉学に役立てて頂けるといいですね。

私からは、小論下敷き、団扇(うちわ)、扇子、手作りの作品を差し上げました。描かれているカエルのイラストを気に入って頂けて嬉しく思いました。特に小論下敷きはアドバイザーの指導により制作した大切な作品です。英訳したものを作り、ベラさんに差し上げたいと思いました。

扇子は私の知人が撮影した富士山の写真をあしらったものです。70歳を越えたアマチュア・カメラマンが一日かけて登った山で撮影した思い入れの深い写真です。いつか、日本の楽しかった事を思い出すきっかけになってくださればと思います。

▲ ベラさんに差し上げた扇子(上)と団扇(下)

私は最後に失態を演じてしまいました。団扇にサインを入れようと思いサインペンのキャップを取るとインクが出て来ませんでした。サインペンは買った直後でもすぐに使えるという先入観で失敗しました。試し書きをしない事は一夜漬けに等しく、肝心な場面で大失敗を招く事を青ざめながら後悔しました。

そんな私の失敗も気に留めず、終始笑顔を絶やさなかったベラさん。私のあやふやなドイツ語の発音も直してくださいました。

事前の心配をよそに、コミュニケーションは分りやすい言葉に笑顔を添えて贈れば、楽しい時間を共有できる事をしみじみと感じました。ドイツ人でありながら聞きやすい英語を話すベラさんのコミュニケーションの素晴らしさと、人の繋がりの恩恵を頂いた事に感謝したひと時でした。楽しい食事会に同席させて頂き本当にありがとうございました。

以上