将来の日本のエネルギー源は何だろう.
- 題名
- : 東京で地熱発電
- 日時
- : 平成25年2月5日(月)13:30~14:20
- 場所
- : 関東第一高等学校 工業科2年1組 西館2階
- 講演者
- : 弁護士 清水 政彦氏
- 参加者
- : 工業科2年1組 桑原学級 37名
発電が抱えている問題
日本を動かしているエネルギー(電力)は主に原子力発電、火力発電、水力発電によって得られている。この他、発電量は少ないが地熱や風力を利用した発電がある。前述の発電方式は位置エネルギーまたは熱エネルギーを巧みに運動エネルギーに変換してモーターを回転させ電力を得ている。この他には太陽光発電がある。
東京のエネルギーの約半分は原子力発電に依存し、残りの半分は水力・風力・火力に頼り生活が成立っている。
日本には約50基の原子力発電所があり、本来約5,000万kwの発電量により約5,000万人分が使用するエネルギーを作る事が出来るが、現在3・11の大地震により原子力発電所が停止している状態である。
この状況により諸外国にエネルギー輸入を頼り、日本は燃料貧乏国になってしまった。原子力を使用した方が良いのか議論があるが、将来的に何が起きるかわからない事(戦争が起こるかもしれない)を考えると危険な物は使用しない方向で考える事が必要である。
再生エネルギーは主役になれない
そこで再生可能な自然エネルギーの使用が考え直されている。しかし自然を相手にする発電はとても不安定で難しい点と、電気が余ると送電線が高熱状態になり火事や故障の原因につながる理由から、『電気は必要な分だけつくる』ことが原則となっている。
その理由により太陽光発電と風力発電においては、5~10年先にエネルギーを安く供給出来る保障がない。また、ダムを使用した水力発電は余った電気で水をダムに汲み上げることにより電気を溜めることができる。しかしエネルギー損失が30%ある。
今まで足らない電力を火力発電に頼ってきたが、太陽光発電と風力発電が増え始めた結果、バランスを取る事が難しくなり安定したエネルギー供給への課題になってしまった。
電気を溜めることは夢の話
電力を溜める方法として開発されたのが鉛バッテリーである。しかし性能がとても低く車を動かす事や、テレビを見る事ぐらいしか出来ない。生活に使用するためには膨大な数の鉛バッテリーを用意しなくてはならない。
そこでエネルギーを溜める技術開発として約50年前から宇宙用と軍事用のためにリチウム電池が開発された。リチウム電池は鉛バッテリーより性能は良いが、長く使用すると高熱状態になり火災の原因になるという欠点がある。アメリカの軍事産業力を持ってしても現在の技術力では応用的に使用する事には限界がある。
日本の地質的特性を生かした安全な発電がある
以上の理由により電気エネルギーを使用する難しさが分かる。比較的に簡単に電気エネルギーを蓄えられるのが地熱エネルギーである。地熱エネルギーとは地球の熱を利用する方 法である。
地表から約10km掘ると高熱源帯の岩盤に到達する。その熱で水蒸気を発生させてタービンを回す方法が地熱発電である。一昔前では地中を深く掘る技術が無かったが現在では、技術の向上により可能となった。
我が日本は世界第2の火山保有国であり、地熱発電が容易に出来る国である。地熱発電の長所は電力のコントロールが容易に出来る事と、約1,000万kwのエネルギーを作る事が出来る。
短所としては、現在の地熱発電所の多くは地方の温泉地にあり、温泉を売りにしている地域ではその温泉が枯れてしまうのでは無いかと懸念されていることである。しかし東北地方では新たな技術開発が進み期待が寄せられている。
地熱発電にたどり着いた理由
なぜ地熱エネルギーに着目出来るかと言うと、ヨーロッパでは原子力発電に頼っていた所が多かったが、チェルノブイリ原発事故で危険性が分かった。そこでヨーロッパが目指したエネルギー開発が風力に頼ったエネルギー開発であった。
海洋発電としてノルウェーやオランダが風車を海の浅瀬に作ったが、海水のため故障が多く、メンテナンスが非常に難しく、尚且つ電力は取れず予算もかかり政府がお手上げ状態になってしまった。
アメリカは地熱発電を利用できる環境を持っているが、地熱の元になる火山が人気(ひとけ)のない所にあるため開発には関心が無く、天然ガスが主流になっている。現在アメリカとヨーロッパは地熱に力を入れていない状況である。
ところが日本は生活と密接した地域に火山の資源がある。地熱エネルギーの開発を見直す事でヨーロッパやアメリカを抜ける絶好の機会がある。
まとめ
勉強も一緒で、人がやらないことをすれば誰でも出し抜ける。その過程で苦労する事も多いが、その分人一倍の有益な結果を残す事が出来る。これからの将来は人がやらない事を見つけてどれだけ挑戦する事が出来るかが非常に大切である。
以上
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