東京大学准教授による出前講義
2011年11月10日、東京大学准教授 小紫先生に出前講義を実施して頂きました。そのご報告と生徒の感想を掲載いたします。
- 実施日時
- : 平成23年11月10日(木)13:30~15:00
- 場所
- : 視聴覚教室
- 講演者
- : 東京大学大学院新領域創成科学科 小紫 公也(こむらさき きみや)准教授
- 授業題名
- : 『未来のロケット推進』について
- 対象学年
- : 工業科1年1組桑原学級
- 小紫研究室のホームページアドレス http://www.kml.k.u-tokyo.ac.jp/
講義内容
最初に宇宙に行くには、何が必要なのかを考えながら話が始まった。ロケットに乗って行くことは、現在も行けるが、ほんの数人しかいけない。将来的には、宇宙旅行を目指したいので、宇宙旅行を出来る様にするには、何が必要なのかを教えて頂いた。まずは、旅行に欠かさないのがホテルである。宇宙ホテルの開発映像を観ながら解説して頂いた。
資料には、沢山のホテルの絵があった。中には、清水建設が考案したモデルもあった。ホテル建設のポイントとしては、人口重力発生装置が必要である事を教えて頂いた。月面基地の話もして頂いた。地球から機材を運んでは、とんでもない費用と建設部品が必要になるので、月面で取れる材料と、月面で造れる工具を使用して建設する計画を教えて頂いた。
月面では、太陽を28日で1回転するので、昼は灼熱、夜は極寒の環境となり地下に潜って生活しなければいけない事も教えて頂いた。
今年でスペーシュシャトルの打ち上げが、終了になった事を教えて頂いた。スペーシュシャトルは、リサイクルをしていたので、コスト面が非常に高く、使い捨てロケットを使用した方が、低コストで済むからであった。
宇宙から帰ってくる時は、ソユーズを使用して帰ってくるのが主流になる事を教えて頂いた。そこで新たに考えられた方法は、電磁ビームロケット(レーザーが推進剤のマイクロ波ロケット)の開発であった。この開発の利点は、エネルギー源の燃料は不要で、電気代しかからない事であった。電磁ビームロケットの構造は、その中心部に地上よりマイクロ波を照射し、その熱によって空気爆発を誘発させて、推進力を発生させる構造であった。
大気中の空気をロケットに取り込める構造になっているので、効率も良くなっている。
この爆発もただの爆発ではなく、『爆轟:ばくごう』をさせる。爆轟とは、可燃気体と空気が一定の割合で、混合し着火するので火炎の伝播速度が、音速を超え衝撃波を伴いながら燃焼するので、とてつもない高圧状態を発生させる事が出来る現象で、このロケットで用いるレーザー爆轟は、可燃気体(燃料)がなく空気だけでも高圧を作り出すことが出来る。
この電磁ビームロケットを造るのには、難点が幾つかある。その難点は、「ロケットに必要な推進剤にギガワットレベルのレーザーを必要とする」事であった。現在の技術では、数ギガワットのレーザーを造るのが非常に難しいので、レーザーを使用せずミリ単位のマイクロ波を、使用する事が考案されている。
そこで、マイクロ波を使用し数多くのロケット発射実験を、見せて頂いた。今後の改善点としては、マイクロ波を当てる事で、ロケットの噴射口の温度が、上昇してしまい上手く燃焼しない事や、燃焼ガスの換気の仕方や綺麗な空気を、取り入れる方法などであった。
最後に教授は、ロケット開発や宇宙開発のアイディアは沢山あるが、そのアイディアを実現できる技術がないと話された。
しかし『宇宙は世界が残された最後のフロンティア』という事を話された。このフロンティアの言葉の意味は沢山あり、特に『新しい事を開拓』するという事は、人間を大きく成長させる大切な要素であると話をして頂き、授業が終わった。
生徒感想文
私は、ロケットにそんな興味は無かったけれど、将来凄いことになりそうなので興味がわきました。早く、マイクロ波ロケットを見たいと思った。技術の進歩を、勉強できて本当に良かった。今回の授業を、聞くことが出来てとても嬉しかった有難う御座いました。
しかし危険な性質なのでもっと実験を重ねて頂き、人が乗れるように開発を急いで欲しいと感じた。今回の授業を聞けて、宇宙開発の可能性に触れる事ができた。宇宙に関わらず全ての物の開発に興味を、持つことが出来た。本当に有難う御座いました。
アニメや、漫画の中でしかなかった物が、今では当たり前になっている事が多いので(例:携帯電話など)私は、早く実現して欲しいと実感してしまいました。小紫先生の授業の中で、沢山言っていた言葉が、『夢』でした。昔は夢だった宇宙に行く事や、月に着陸する事が、今ではもう出来ている。
これからの未来は、どんな事が出来るようになるのかが、非常に楽しみです。
現在では、エンジンを使用して発射するロケットが、レーザーだけで、発射できるように研究を行っていた。私が、知らない所で沢山の努力をしているのだと改めて感じる事が出来た。この積み重の努力が、『宇宙に住める』・『宇宙旅行ができる』ようになるのだと実感しました。
私は今回の授業を受けて、とても勉強になりました。また『夢の実現』に向けて、沢山の事に頑張って行きたいと思いました。
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